2026年12月25日に施行される『こども性暴力防止法』によって、日本版DBS制度が導入・運用される予定です。
以前の記事では、『安全確保措置』について詳細に解説しました。
まだそちらの記事を読まれていない方は、是非お読みいただければと思っております。
上記の記事では、『性暴力防止の重要さ』や、『服務規律(服務規定)・行動規範の整備』等について解説しました。その中で、「『性暴力』や『不適切な行為』に該当する行為を定める」と書きましたが、その中『性暴力』と『不適切な行為』について重点を絞って解説していきます。
当ページの情報は執筆時点の情報です。また、こども家庭庁に掲載されている資料等は、随時変わる可能性がありますので、ご注意ください。
執筆日:
参考資料等
こども性暴力防止法について(概要)|こども家庭庁 ※2026年3月18日更新
教育・保育等を提供する事業者による児童対象性暴力等の防止等の取組を横断的に促進するための指針|子ども家庭庁
(以降、当サイトでは『横断指針』と書きます)
『性暴力』とは?
横断指針では、下記のように記されています。
「性暴力」とは、犯罪に該当するものだけでなく、犯罪に該当せずとも、「(被害児童である)本人の意に反した性的な言動」が行われることを含む。
「意に反する」とは、被害児童が「嫌だ」と伝えた場合だけではなく、行為の意味を理解していない、嫌だけれども断れない、逃げられない、応じざるを得ない、あるいは性的手なずけによって誘導された場合を含む。性暴力とは必ずしも、直接身体や性器に接触する行為であるとは限らない。わいせつな言動、性器の露出、ポルノや性行為を見せること、のぞき、盗撮等の非接触型の性暴力もある。性別を問わず性暴力の被害者となり得るものであり、加害者の性別は被害者の異性とは限らない。
性暴力とは
性暴力とは
- 犯罪に該当するもの
- 犯罪に該当するものだけでなく(被害児童である)本人の意に反した性的な言動
つまり、犯罪に該当するものだけでなく、下記のものも性暴力に含まれます。
- 被害児童が「嫌だ」と意思表明したもの
- 被害児童が行為の意味を理解していないもの
- 被害児童が嫌だけれども断れないもの
- 被害児童が逃げられないもの
- 被害児童が応じざるを得ないもの
- 被害児童が性的手なずけによって誘導されたもの
また「性暴力とは必ずしも、直接身体や性器に接触する行為であるとは限らない」と記載されており、接触型・非接触型を問わず、性暴力に該当します。
- 直接身体や性器に接触する行為
- わいせつな言動
- 性器の露出
- ポルノや性行為を見せること
- のぞき、盗撮等
さらに「性別を問わず性暴力の被害者となり得る」と記載されており、異性間だけでなく、同性間での行為も性暴力に該当し得る事にご注意ください。
性暴力の例

横断指針で示されている例は、具体的な例ですが、あくまでも一例です。

施設・事業所によっては、上記の例以外にも性暴力に該当し得る場合があるため、施設・事業所ごとに何が性暴力に該当するかを決める必要があります。
重要なポイントは、
- 性暴力は、犯罪に該当するものだけではない。(被害児童である)本人の意に反した性的な言動も含まれる。
- 性暴力は、直接身体や性器に接触する行為に限らない。接触型・非接触型を問わず、性暴力に該当し得る。
- 性暴力は、性別を問わない。異性間だけでなく、同性間での行為も性暴力に該当し得る。
- 施設・事業所ごとにルールを定める事が必要。
『不適切な行為』とは?
横断指針では、下記のように記されています。
「不適切な行為」とは、性暴力につながり得る行為である。事業者において、性暴力につながり得るような不適切な行為についても対応することで、性暴力の未然防止につながる。
不適切な行為とは
不適切な行為とは、性暴力には該当しないが、業務上必要な行為と言えず、継続・発展する事により性暴力につながる可能性のある行為です。
施設・事業所で、性暴力につながり得るような不適切な行為についても対応することで、性暴力の未然防止につながるとされています。
不適切な行為の例

横断指針で示されている例は、具体的な例ですが、あくまでも一例です。
「児童にマッサージをする」を例に挙げると、学校なのかスポーツクラブなのかによって、必要性が変わってくると思います。また、仮に必要であっても、子どもや保護者等に必要性を説明する必要もあると考えます。

施設・事業所によっては、上記の例以外にも不適切な行為に該当し得る場合があったり、上記の例でも適正な行為があると思われます。そのため、施設・事業所ごとに何が不適切な行為に該当するかを決める必要があります。
重要なポイントは、
- 不適切な行為は、性暴力には該当しないが、業務上必要な行為と言えず、継続・発展する事により性暴力につながる可能性のある行為。
- 性暴力につながり得るような不適切な行為についても対応することで、性暴力の未然防止につながる。
- 子どもと接する仕事に従事する人にとって、過度な萎縮につながらないように、現場の実態に合わせて「不適切な行為」の範囲を定める事が必要。
- 子どもや保護者にも周知し、理解を得る事も重要。
性暴力防止の重要さ
児童に教育・保育等を提供する施設の設置者・事業の運営者は、従事者による児童への性暴力が、被害児童に生涯にわたって回復し難い心的外傷等を与え得る重大な人権問題であるとともに、適切に対応しないことが重大な経営リスクとなることも認識し、未然防止・早期発見、性暴力の疑い発生時の適切な事実の有無の調査、児童の保護及び被害児童への支援を行うことが重要である。
全ての従事者が、こどもの権利を理解し、児童への性暴力加害の抑止や、性暴力の疑いが生じた場合の対応に関する理解を深め、未然防止・早期発見につなげることが重要である。また、こどもの権利や性暴力防止に関する正しい知識の獲得は、従事者自身を性暴力の加害者になることから守ることにもつながる

事業主の皆様、そして施設・事業所で子どもに接する仕事に従事する方々には、性暴力防止の重要さはご理解されていると思いますが、性暴力につながり得る「不適切な行為」の防止により、性暴力の未然防止につながる事もご理解いただければと思います。
↓詳しくは、下記の記事の「事業者が持つべき意識」をご覧ください。
まとめ
今回は『性暴力』と『不適切な行為』について詳しく解説しました。重要なポイントをまとめると、
性暴力
- 性暴力は、犯罪に該当するものだけではない。(被害児童である)本人の意に反した性的な言動も含まれる。
- 性暴力は、直接身体や性器に接触する行為に限らない。接触型・非接触型を問わず、性暴力に該当し得る。
- 性暴力は、性別を問わない。異性間だけでなく、同性間での行為も性暴力に該当し得る。
- 施設・事業所ごとにルールを定める事が必要。
不適切な行為
- 不適切な行為は、性暴力には該当しないが、業務上必要な行為と言えず、継続・発展する事により性暴力につながる可能性のある行為。
- 性暴力につながり得るような不適切な行為についても対応することで、性暴力の未然防止につながる。
- 子どもと接する仕事に従事する人にとって、過度な萎縮につながらないように、現場の実態に合わせて「不適切な行為」の範囲を定める事が必要。
- 子どもや保護者にも周知し、理解を得る事も重要。
児童に対する性暴力は被害を受けた児童の権利を著しく侵害し、当事者の心身に深刻かつ長期的な影響を及ぼし得る重大な加害行為である事はご理解されていると思いますが、性暴力につながり得る「不適切な行為」の防止により、性暴力の未然防止につながる事もご理解をいただいた上で、日本版DBSを通じて、子どもが安心して教育・保育等を受けられる環境づくりを目指していきましょう。
当事務所では、出来る限り最新の情報・資料を基に情報提供を行い、事業者さんが安心して新しい制度を運用できるようにサポートをしていきたいと考えております。
福岡県の日本版DBS制度に関するご相談や、申請・認定手続き、犯罪事実確認の申請・代行は、当事務所にご相談ください。
