「飲食店やスナックなどのお店を始めたい!」

皆さんがそう思い立った時、何を準備されるでしょうか?建物の賃貸借契約をし、内装を整え、必要な許認可(飲食店営業許可や風俗営業許可など)を取り、営業を開始すると思います。

その際によく忘れがちなのが「防火対象物使用開始届出」です。
お客様ご自身で許認可を取得された場合や、不慣れな行政書士に許認可を依頼した際、この「防火対象物使用開始届出」を届出ていないケースがよく見られます。

この「防火対象物使用開始届出」は、法令(市区町村の条例)によって届出が義務付けられています。届出を怠った場合は法令違反となり、罰金等を受ける可能性があります。

今回は、多くの方々が見落としがちな消防法関連について解説します。

消防法の目的と防火対象物

消防法には目的が2つあり、その1つが「火災を予防、警戒、鎮圧し、国民の生命、身体、財産を火災から保護」する事です。

その火災予防の目的を達成するため、建物や船舶・車両など物を「防火対象物」として指定し、その防火対象物の中でも、不特定多数の人が利用する建物(飲食店・デパート・ホテル・劇場など)や、火災発生時に避難が困難な人が利用する建物(病院・幼稚園・社会福祉施設など)を「特定防火対象物」として指定しています。

一般的な飲食店だけでなく、スナック・キャバクラ・キャバレーなどの風俗営業店なども、不特定多数の人(来店客)が来店する建物です。

この建物で火災が起きないように、そして火災が起きても被害が少なく、人命が失われないようにするために、決まり事があります。

防火対象物使用開始届出について

防火対象物使用開始届出って何?

防火対象物である建物などで営業・事業を始めようとした場合(もしくは使用用途を変更する場合)に必要な届出です。

この届出は、事業を始める7日前までに建物を管轄する消防署に届け出をし、消防署の検査を受ける必要があります。

この消防署の検査の際に、消火器等の消火設備が設置されているか確認されます。

届出には何が必要?

一般的には下記の情報が必要になります。

  • 届出書
  • 建物(部屋)の図面
  • 設備(消火設備や避難器具など)の数や設置場所

市区町村(管轄の消防署)によって、書類の様式や求められる事項が変わります。
そのため、事前に管轄の消防署に確認が必要です。

届出をしないとどうなる?

防火対象物使用開始届出を出さないと罰則の対象となります。(未届出であることが即罰則となったという話は聞きませんが、他の問題があった場合に発覚し、処罰を受けたという話を聞きます)

また、消火器等を設置していないなどの問題がある場合は、営業停止などの行政処分を受ける可能性もあります。

この届出は建物や部屋の使用者、つまり飲食店などの事業主に届出の義務があります

当事務所がよくお聞きする話は「消防法を知らなかった」、「不動産屋さんからそんな話は聞いていない」、「(飲食店などの)許可を取る時に言われなかった」など様々ですが、問題があった時に処罰を受けるのは、その建物や部屋を使用している事業主ですのでご注意ください。

収容人数が多い場合は注意が必要!

飲食店やスナック・キャバクラ・キャバレーなどの風俗営業店のケースで、収容人数(席数)が30人以上の場合、防火管理者を定める必要があります

この防火管理者となるためには、消防署員、消防団員、警察官などの職歴がある方もしくは、「防火管理者講習」の受講をされた方となります。

例)防火管理者講習

防火・防災管理講習|一般財団法人 日本防火・防災協会

※紹介している団体や講習会は、一例です(市町村が主催する講習もあります)
※お店の広さによって、甲種防火管理者・乙種防火管理者どちらが必要か変わります。

表は、スワイプして見ることができます
特定防火対象物
(飲食店など)
非特定防火対象物
(寺院など)
甲種防火管理者収容人数30人以上で
床面積300平方メートル以上
収容人数50人以上で
床面積500平方メートル以上
乙種防火管理者収容人数30人以上で
床面積300平方メートル以下
収容人数50人以上で
床面積500平方メートル以下

飲食店やスナックなどのお店で、収容人数が30人以上の場合は、お店の広さに応じて甲種防火管理者か乙種防火管理者どちらかを定める必要があります

まとめ

防火対象物使用開始届出は、事業主さんや来店客の命を守るために大事な、そして義務付けられた届出です。しかし、一般的にあまり知られておらず、防火・消火対策などが不十分な状態で営業(事業)を開始されているケースが散見されます。

届出を行うためには、お店の広さや形状に応じて消火設備を設置し、それらを記載した図面が必要です。また消防署によって求められる事が少し変わってきますので、管轄の消防署への事前確認が必要です。

当事務所は筑豊地区(嘉麻市・飯塚市・直方市・田川市など)を主に対応しておりますが、他の地域も対応可能です。

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