この記事はキャバクラ・スナックだけでなく、ガールズバーやコンカフェなどの飲食店関連のお店の開業を検討している方に向けた記事です。

これらのお店の中には、営業内容によっては『風俗営業許可が必要』なお店もあります。しかし、経営者・事業主さんの多くは、風営適正化法(風営法)への理解が不十分なまま開業し、営業を続けている事があります。

例えば以下の感じで風俗営業許可を受けずに営業していませんか?

  • 店名が『◯◯バー(または◯◯カフェ)』だから大丈夫
  • カウンター越しの営業だから大丈夫
  • 他のお店も同じような事をやっているから大丈夫
  • お酒を提供していないから大丈夫
  • 深夜に営業していないから大丈夫

この判断は、非常に危険です。

しかし、2025年に改正風営適正化法(改正風営法)が施行(新しいルールが適用)され、警察の監視の目がより厳しくなりました。知らない間に風営適正化法を含めた法令(法律や解釈基準など)に触れ、警察等からの指摘・摘発を受ける事も増えています。摘発された後に「知らなかった」は通じない世界です。

この記事では、『風俗営業許可が必要かどうかの1つの指標』である『接待』について説明します。

接待とは?

接待について ※大事な部分だけ抜粋しています。

接待の定義

接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」をいう。

接待の主体

接待は、通常は異性によることが多いが、それに限られるものではない。

接待の判断基準

(1)談笑・お酌等
(2)ショー等
(3)歌唱等
(4)ダンス
(5)遊戯等
(6)その他

出典:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(通達)
令和7年10月20日発 より一部抜粋

接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」を指しますが、このように書かれても何の事かよく分からない方もいらっしゃると思います。
接待というと、スナックのようなお店で『スタッフがお客さんの隣に座ってお話をしたり、お酒を作る』行為を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はそれだけではありません。

そのため、接待の判断基準を例に解説していきます。

接待の判断基準

  1. 談笑・お酌等
    スタッフが特定の客と継続して、談笑したり、お酒を作ったりする行為 など
  2. ショー等
    スタッフが特定の客に対して、ダンスを見せたり歌を聴かせたりする行為 など
  3. 歌唱等
    スタッフが特定の客に対して、歌を歌うように勧めたり、カラオケ機材に入力したり、歌唱中に合いの手や拍手をし盛り上げる行為、客と一緒に歌う行為 など
  4. ダンス
    スタッフが特定の客と一緒に、ダンスをする行為 など
  5. 遊戯等
    スタッフが特定の客と一緒に、遊具(ビンゴ、トランプ、ダーツなど)で遊び、競う行為 など
  6. その他
    スタッフが客の、手を握る、客の口許まで飲食物を差出す など

上の1〜6にも書いていますが、下記の行為は接待に該当する可能性が高く、風俗営業許可が必要な営業方法です。

  • スタッフが、客にカラオケで歌うように催促する
  • スタッフが、客が歌う曲をカラオケ機材に入力する
  • スタッフが、客が歌っている間に拍手や合いの手などで盛り上げる
  • スタッフが、トイレから戻ってきた客におしぼりを渡す

経営者・事業主さんの中には「カウンター越しの営業だから大丈夫」と言われる方がいらっしゃいますが、実は、カウンター越しであるかどうかは関係ありません!

【余談】

接待とは別の話ですが、「設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせるお店」も風俗営業許可が必要なお店です。

例)麻雀店、パチンコ店、ゲームセンター、ポーカー店 など

実はビリヤード場やダーツ場は以前は風俗営業許可が必要な業種でしたが、現在は変わっています。

ビリヤードは、以前(風俗営業取締法の時代)は風俗営業の対象の時代がありましたが、後に健全なスポーツとして規制対象から除外。
ダーツバーは、一定の条件を満たしているお店については、規制対象から除外。

上記以外で接待に該当する可能性のある行為

  • 客の求めに応じてスタッフを交代する(指名制度など)
  • 提供する料理等に対して、客の目の前で魔法の類いをかける
  • スタッフと客が、一緒にチェキなどを撮るサービス

過去に摘発されたお店の中には『スタッフの服装が露出が多い服で接客』や『スタッフの下着が客から見えるように鏡を設置』等の行為でも、接待行為と判断されたケースがあります。

警察は実態を見ている

改正風営適正化法(改正風営法)が施行されてから、現在(この記事は2026年1月に作成)に至るまでに摘発されたお店のニュースを見ると、キャバクラ・スナック等の無許可営業による摘発だけでなく、ガールズバーやコンカフェでの無許可営業による摘発も多く見ます。
これは、警察が店名(〇〇バーや、◯◯カフェ)ではなく、どのような営業を行なっているか?つまり実態で判断している事の表れだと感じます。

摘発されたお店の中には、店名はダーツバーなのに、実態はホストクラブのような営業をしていたというお店もありました。

違反・摘発を防ぐために

警察の立入り調査・摘発を受けた後に「知らなかった」、「今から改める」、「どうにかしてくれ」等を言っても、通用しませんし、どうにもできません。

そのため、開業前はもちろんの事ですが、既に開業・営業している場合でも、現在の営業方法・内容が、風営適正化法(風営法)に該当するかどうかを確認する事が大事です。

無許可営業で摘発されると

拘禁刑:5年以下
罰金刑:1000万円以下法人の場合は3億円以下

そして違反者は以降5年間は風俗営業許可が受けられません(風俗営業許可の欠格事由に該当します)。
また場合によっては、売上金等は違法な営業で得たお金として没収される事もあります。

風営適正化法(風営法)の法律や解釈は比較的短い期間で変わります。
『悪質なホストクラブ問題』などの世間の情勢や、『2025年7月に起こったガールバーの店主・店員殺害事件』などの痛ましい事件の発生等により、法律や解釈が変わり、半年前はグレーゾーンだった(明確な違反ではない)営業方法も、現在は明確に違反に該当する事もあります。

疑問等があれば、風営適正化法(風営法)に精通した行政書士にご相談いただくのが一番と思います。

まとめ

今回は『接待』に焦点を当てて書きましたが、風俗営業の規制は他にもたくさんあります。

それらの規制は、世の中の情勢や、痛ましい事件の発生等によって変わります。それらの規制に知らずに触れて、摘発された後に「知らなかった」は通じません。

そのため、疑問等があれば「風営適正化法に精通した行政書士にご相談いただく」事が、経営者・事業主さんにとって一番安心だと考えます。

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