当ページの情報は執筆時点(2026年3月19日)の情報です。また、こども家庭庁に掲載されている資料等は、随時変わる可能性がありますので、ご注意ください。

はじめに(日本版DBSとは?)

日本版DBS』の創設を盛り込んだ『学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(通称:こども性暴力防止法)』が、2024年(令和6年)5月23日に衆院本会議で可決、翌月の6月19日の参院本会議で可決・成立しました。

『こども性暴力防止法』は、2026年(令和8年)12月25日に施行(新しいルールが適用)される予定です。

日本版DBSは、『子どもと接する仕事に就く人に性犯罪履歴がないかを確認し、性犯罪歴や性暴力の疑いがある人が子どもと接する仕事に従事する事を制限する事で、子どもの性犯罪被害を未然に防ぐ仕組み』ですが、イギリスの公的機関であるDBS(Disclosure and Barring Service:前歴開示・前歴者就業制限機構)を参考に設計された制度です。

日本版DBSは、子どもが安全して教育・保育を受けられる環境づくりを目的として注目されています。

対象となる事業者・業務は?

日本版DBS対象事業者
日本版DBS対象業務
日本版DBS対象事業者詳細

まず、対象となる事業者についてですが、公立・私立、法人・個人、事業名、業態を問わず『こどもに関わる教育・保育・指導・支援等を行う事業を行っている』事業者が対象です。
また、全ての事業者が義務というわけではなく、法律の区分けに応じて『義務対象の事業者』か『認定対象の事業者』に分かれます

法定事業者(義務対象の事業者)

  • 幼稚園
  • 学校
    小学校、中学校、高等学校
  • 認定こども園
  • 児童福祉施設
    認可保育園、児童養護施設、障害児施設 等
  • 児童福祉施設

など

認定事業者(認定対象の事業者)

  • 民間教育事業
    学習塾、スポーツクラブ、各種習い事教室
  • 放課後児童クラブ
  • 認可外保育施設

など

より多くの『こどもに何かを教える事業』をされている事業者が認定を取得する事が望ましいですが、認定には一定の要件があるため、講師が1人の学習塾などは対象外となります。

【主な要件】

  • 修業期間要件:6か月以上の期間中に2回以上同じこどもが参加
  • 対面要件:こどもと対面で接する
  • 場所要件:こどもの自宅以外(オフィス、カフェ等)で教えることがある
  • 人数要件:こどもに何かを教える者が3人以上

など

事業者に求められる対応は?

日本版DBS事業者に求められる取組み
日本版DBS性暴力とは
日本版DBS不適切な行為とは

日本版DBSは、『はじめに(日本版DBSとは?)』で書いた通り、『子どもと接する仕事に就く人に性犯罪履歴がないかを確認し、性犯罪歴や性暴力の疑いがある人が子どもと接する仕事に従事する事を制限する事で、子どもの性犯罪被害を未然に防ぐ仕組み』です

事業者側には、過去に特定の犯罪歴がある人(従業員)を『子どもと接する場面のない部署への異動』等への対応が求められます。

どのような犯罪が対象となるか?

  • 不同意わいせつ
  • 児童売春
  • 児童ポルノ所持
  • 痴漢
  • 盗撮
  • 未成年淫行

など

こどもに対する性犯罪だけでなく、成人に対する性犯罪も含みます

事業者に求められる事は?

【日頃から】

  • 服務規律等のルール作り、環境整備、保護者・児童等への周知・啓発
  • 性暴力等のおそれの早期把握のための児童等との面談等
  • 児童等が相談を行いやすくするための措置
  • 従業員への研修

【被害が疑われる場合】

  • 調査
  • 被害児童等の保護・支援

【従業員雇用時 等】

  • 児童等に接する業務の従事者は、雇入れ・配置転換等の際に犯罪履歴の確認

【管理】

  • 犯罪事実確認記録等の適正な管理
  • 犯罪事実確認記録等の利用目的の制限及び第三者提供の禁止

など

性暴力には、性犯罪の他にも『こどもを不快にさせる性的な言動』が含まれます。
そのため、職員への研修、周知・徹底するのは、性犯罪の防止ではなく、性暴力(つまり性犯罪も含む)の防止です。

まとめ

日本版DBSは、『子どもと接する仕事に就く人に性犯罪履歴がないかを確認し、性犯罪歴や性暴力の疑いがある人が子どもと接する仕事に従事する事を制限する事で、子どもの性犯罪被害を未然に防ぐ仕組み』です。今年の年末(2026年12月)に始まる制度ですが、その制度を構築するためには、事業者さんはあらかじめ準備をし、様々な対応が求められます。

特に『子どもと接する仕事に就く方』いわゆる従業員の方への教育・研修や、雇用・配置転換の準備等については、前もって準備をしておく必要があります

また、こども家庭庁の資料等についても、日々変わります。

当事務所では、出来る限り最新の情報・資料を基に情報提供を行い、事業者さんが安心して新しい制度を運用できるようにサポートをしていきたいと考えております。

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